その瞬間から、アンリは部屋の隅に蹲り、理解出来ない言葉を呪文のように唱えている。エンリコは静かに泪を流すだけだ。ヘンドリクスはヒステリックな叫び声をあげながら、美しかったブロンドの髪の毛を引き抜いている。ヘンリクは猫とは思えないような鳴き声を出す時もあるが、一日中部屋の温かい所でぐったりしている。時折、苦しそうにしている。こんな状況だから、僕は不安になっていた。