「・・・で。

帝様、

今日は一体何の用にございますか?」

・・・

長い沈黙。

・・・

帝は、

私の手を取り微笑んだ。

・・・何事?

・・・光も眉間にしわを寄せる。

・・・

「源氏」


「・・・はい」



「朱音を私にくれぬか?」


「・・・は?」


思いがけない言葉に、

私も光も息を呑む。

「男と偽り、宮中で見かけた時から、

朱音の事が忘れられなかった。

是非にでも、朱音を私の傍に置きたい」

・・・

ちょっと、待ってよ。

そんなこと言われても・・・

ひ、光。

何とか言って。