何かがぽっかり抜けたまま、10年もの月日がたった。



俺自身も成長し、親の仕事の手伝いまでするようになっていた。



昔は生意気言っていたが、たいぶ丸くなったように思える。



あの親父は何千人、何万人もの人々の生活を支えている。



今では尊敬しているくらいだ。



「みなみ、咲坂家に連絡の電報をしておけ。」



「了解」