ふふん、とせつなが見せてきた紙には人?らしきものが描かれている。



黒と白のフリフリから推定すると…



「メイドさんだよっ! これがせつなでこれがみなみ!」



分かるよねー? と、しつこく聞いてくるせつなをよそに、俺の頬には何かがつたう。



せつなはただでさえ大きい目を見開いてびっくりしておどおどしている。



「み、みなみ! せつなの絵がヘタクソだから泣いてるの?」



手で触れた頬にはしっとりと濡れていた。



「泣いてねぇし! これは汗! そう汗!」



嘘をついてでも、ごまかしてでもせつなにないているところを見られたくない。



でも、涙は止まってくれない。



雨が降るように流れ続ける。