『みんなお前に心底感謝してるぞ。モネグロスとアグアがいつも言っている。雫に会いたいと』

「……」

 胸がキュンと鳴って、鼻先がツンと熱くなる。

 うん、会いたい。あたしも。

 純粋で泣き虫のモネグロス。偉大で愛情深いアグアさん。

 会いたい。すごく会いたいよ。

「ノームとイフリートはどうしてるの?」

『あいつらも仲良くやってる。目指す方向がお互い微妙にズレてるもんで、噛み合ってないけどな』

 あぁ、なるほど。

 ノームはイフリートに真剣に恋してるけど、イフリートはねぇ、まだそこまで全然到達してないもんね。

 ノームがまだ少女なんだから無理もないけど、イフリートの鈍そうな部分を差し引いても、ノームが恋愛対象となるのはかなり時間がかかりそう。

 大変だなぁ。頑張れ負けるなノーム!

『いや、あれで結構ノームもやるもんだぞ』

「え?」

『勇猛果敢、全速前進だ。まるで手ごたえの無いイフリートに、毎日果敢に接近してる』

 おお、さすがはノーム! 骨の髄まで攻めの女!

 よーしよし! その調子でドンドンいくのよ!

 イフリートを他の女なんかに渡したら、絶対にだめだからね!

『あいつらから伝言があるぜ』

「伝言? どんな?」


『雫よ、お前は我が誇り。そして永遠の友』

『しずくさん、わたしたちはずっとずっと一緒です』


「……」

 涙で両目が潤む。

 手で口元を覆って、大きく鼻を啜った。