しばらく考えてから、鳴海が口を開いた…

「…ありがとう…」

千歳は、珍しいセリフを耳にしたせいか、ワインでむせってしまった。

「…やだなーたいした事ないでしょー?あ・そうだ。これ持ってけだって」

と、おもむろに、ビニール袋に入った白いものを取り出した。

「お…米?」

「そう♪ライスシャワーって言うの?あれ一度、やってみたかったのよねー」

「…じゃあ来れば?千歳も」

「えー?着てく物がないなー」

「…タキシードなら、貸せるけど?」

「何でそ〜なるの?」

ガクリと脱力している千歳を、鳴海は楽しそうに眺めると言った。

「まぁそれは冗談として…いいじゃない、エプロンで」

「えー?」

「自分はこのエプロンで、行くつもり」

「…ようするに、嫌がらせ?」

「まぁね…通りすがりに来てやったという設定…」

「ああ、それ面白そうね〜」

「でしょ?それから、こーゆーのはどうかなー」

「なになに?」


空のボトルは増えていく…

二人の悪巧みは、次から次へと尽きる事なく夜は更けていった…

Fin