「え?そんな…里美さん、静君が冷たいんだけど…」

鳴海兄は里美に(涙ながらに)訴えた…

「いつもこうですよね?里美さん…」

「う〜ん…そう言われれば、そうね〜」

「わーー…」

鳴海兄がうつぶして、泣いている…

その姿を見て、千歳が一言…

「二人とも…いじめて楽しんでません?」

「あら、やだ千歳さん」

「当然の権利ですよね〜?里美さん」

「ね〜〜〜」

「しくしくしく…」

千歳の俳優″宗一″に対するイメージが、音を立てて崩れていった…



「じゃ〜ね千歳さん、お休みなさ〜い」

「当然押しかけて、すみませんでした」

「いえいえ」

「じゃあ千歳、ちょっと二人を送って来るから、仕事残しといてね」

「OK、行ってらっしゃーい」

鳴海弟の大型ジープに二人を乗せて、車は宿泊先のホテルへと走り出した。

千歳は鳴海の分の仕事も片付けながら、閉店作業の続きを始めた…