「…って、ここの近くじゃないですか…」

「そうなのよ〜式は二人で挙げる予定なんだけど、良かったら来てね〜」

「…何それ…やけに急じゃない?」

鳴海は右隣りに座っている兄に、冷たい視線を向けた…

「うん、いろいろあってね、披露宴はちゃんとやるから…はい、招待状…」

「わざわざ、手渡ししに来たの?」

「ついでだよ…」

鳴海兄は優しく笑った。

「あ、あのところで…ちょっと聞いていいですか?…宗一さんて、どこかで見た事あるんですけど…」

千歳がカウンター越しに、コーヒーを置くとたずねた。

「や〜ね〜千歳さん″宗一″って言ったら、今をときめく俳優さんよ〜♪今度映画にも出るの『光の庭』って知ってる?」

「知ってるも何も…えー?!あの宗一さんですかー?ドラマ見てます…って、ちょっと鳴海!」

千歳は目を輝かせて″宗一″を見た後、ギロリと鳴海弟を睨んだ。