千歳が改めて、里美の結婚相手を見ようとした時…

「…どうして兄さんと里美さんが、ここにいる訳?…」

ゴミ出しから戻って来た鳴海が、入り口に立っていた。

「えーーー?!?」

「あ、初めまして、静時の兄の宗一です…」

あわてて男はサングラスを外すと、千歳に挨拶をした。かと思うと、くるりとふり返り…

「静君…久しぶり!」

恋人の手をふりほどいて、駆け寄ると…弟を抱きしめたのだった…

「…何しに来たの?兄さん…」

弟は、そっけなくたずねる…

「結婚するのよ、私達」

里美が兄の代わりに答えた。

「…ああ…」

と、弟は無表情に言った…



「…で、いつですか?式」

カウンター席に座った三人に、千歳がコーヒーを入れながら聞いた。

「明日の3時よ〜」

ガチャンと、カップを落としかけて、千歳が叫んだ。

「えー?!本当ですか?」

「マジよ〜♪サンピエトロ教会って知ってる?」

里美が楽しそうに答えた。