「え〜〜大変長らく、お待たせしました〜ただ今より、後夜祭を始めたいと思いま〜す。参加者の方はキャンプファイヤーの周りに、お集まり下さ〜〜〜い♪」

陽気な司会者の声が、校庭中に響いた。

続々と、人が集まり出す…

日はいつの間にか暮れていて、ネイビーブルーの空に星が浮かんでいた。

鳴海君は立ち上がると、私の方に手を差し出して言った…

「…行きませんか?」

私は…その時の鳴海君の笑顔が、とても良かったので…つい嬉しくなってしまって…

思わず、その手を取ってしまったのよ…


「さあ、一発目はご存知この曲!!皆さん踊り狂いましょう♪」

フォークダンスの定番曲が陽気に流れ出すと、学生達は隣同士で手をつないで踊り始めた。

思えば…私はこの時すでに、運命の手を選び取っていたのかもしれないわ…

だってあの日は…炎が、ゆらゆらゆれて…

その周りに人が輪になって、くるくる回っていたもの…

Fin