「あのさ、ゆり君…その夢さぁ…」

「うん？」

「いや、別にいいんだけど…私は少し寂しいね…」

和美ちゃんは、文化祭の追い込み作業の手を休めて、私の肩に手を置くと、意味が分からず首を傾げている私を抱き寄せた…？？？

「あ〜そこ！いちゃつくんじゃないよ！」

近くで衣装を仕上げていた部長が、和美ちゃんを睨んだ。

「うらやましいか？部長…」

「ケッ…大体…里美君の荷物を持って行ったりする、鳴海君が悪いな…」

「え？僕ですか？」

部長の八つ当たりが、いきなり鳴海君の所へ回って来た。

「ああ、そうだ！」

身に覚えのない罪を着せられ、鳴海君は心底困った顔をしている…

部長があまりにも自信満々に答えるので、私と和美ちゃんは吹き出してしまった。

「あははは…」

文化祭前日の事だった…