「…お前を忘れらんなくなったせいだよ…口説きに来たに決まってんだろ?」

鈴木一郎はラサエルの方に近づくと、頬に手をかけてキスしようとした…

「わっわっ、何するんですか?!しかもあなたは、男じゃないですか?!男に口説かれる覚えは、私にはありませんよ〜!」

ラサエルは、あわてて後ろに飛びのいた。

「…何だラサエル…天使に性別はないんだぞ…まぁいい、お前がそう言うんなら…」

と言って、男はコートと帽子を脱ぎ捨てると、そこに現れたのは…真っ赤なスーツを着ている、長い黒髪の美女だった…

「あ・あ・あなた女性だったんですか?!これは大変失礼しました!」

「いや〜今ならどっちにもなれるぜ、お前の好みに合わせるが?」

「な、なに言ってるんですか、私をからかっているんですね?もう帰って下さい。私は鈴木一郎なんて、知りませんから〜!」

ラサエルは鈴木一郎を部屋から追い出すと、急いで鍵をかけた。