場面はまた暗くなり、静かな曲が流れ始めた…

そこにナレーターの声が入る。

「あれから…一年の月日が経ちました…ラサエルは、すっかり天使の記憶を忘れてしまったようです…」


パッと、明るい照明が舞台を照らすと、あのアパートの一室が浮かび上がり、ラサエルがテレビを見て笑っているところだった。

「あははは…何でしょう、バカみたいですねーこの人達、あはは…」

テーブルの上には、コンビニ弁当とマグカップがのっている。

「あはは…最近テレビも、つまらなくなりましたね…何か面白い事はないですかね…」

ボンヤリと、うつろな目でラサエルは呟いた。

その時、″ピンポーン″とインターホンの音が鳴り響いた…

「はいはーい、一体こんな時間に誰でしょうかね?」

玄関へ行くと、扉を開けた。