ラサエルは玄関の前に立って鍵を開けると、中に入った。
手にはコンビニの袋を下げている…

「ただいま…」

誰もいない部屋に向かって呟き…テーブルの前に座ると、習慣のようにテレビをつけた。

しばらくテレビを見て、アハハハハと乾いた声で笑った後、袋からおにぎりを取り出すと、食べ始めた…

「…あれから…彼女の事を思い出さないように、仕事を増やしてみたのですが…人間は寝ないと体を壊すんですね、ちょっと増やし過ぎました…気を付けましょう…」

また、ラサエルはポツリと呟いた。

「本当に…人間というのは、おかしな生き物ですね…私はこんなに胸が痛くて苦しくて、とてもつらいのに、お腹はしっかり空いてきたりするんですからね…」

おにぎりを食べながら……ラサエルの目からは一つ、二つと、涙がこぼれ落ちた…

「フ…フフ…泣くか食べるか、どっちかにしろ！ですよね…情けない…ああ、早く彼女の事を忘れてしまえば、楽になれるのでしょうかね…カイサル…」