「バカヤロウ！天使しんみりさせてどーすんだボケ！！たとえお前が忘れても…俺がずっと覚えていてやるから、心配すんな。じゃーな元気でやれよ、ラサエル」

スポットライトが消えると、今度はラサエルを照らし出した。

「カイサル…？もう行ってしまったんですか？…お礼を言い損ねてしまいましたね…」

静かにライトの照度が落ちて、男の姿も見えなくなった…


「…数ヶ月後…ラサエルはどうしても我慢できなくなって、あの彼女が勤めている喫茶店を、訪れる事にしました…」

ナレーターの声が入るとクラシックの曲が流れ出し、ラサエルが一人立ち尽くしていた。

「…え？一ヶ月前に辞めてしまったのですか？…結婚…されたのですか…そうですか、分かりました…ありがとうございました…失礼します…」

店の外へ出ると、ラサエルは肩を落として歩き出した…

舞台の端まで行き…姿が消えると、反対の方から再び現れた。