「…ああ…あの二人は恋人同士ですね…だってウエディングドレスのショウィンドーを見ながら、彼女はとても幸せそうに笑っていました…それに良く見ると、手をつないでいましたしね…」

そう言いながら男は、トボトボと歩いて行ってしまった…


そして…場面が変わり、男はアパートの部屋で一人、座っていた。

「…ああ、どうした事でしょう…彼女は、あんなに幸せそうに笑っていて、私は嬉しいはずなのに…気持ちは、どんよりとしてモヤモヤして、とても嫌な感じです…私はあの男の方に、嫉妬しているのでしょうか？…彼女の隣にいるのが、私ならいいのにと…ああ…私の心は、とても汚い気持ちでいっぱいです！どうしたらいいんでしょうか…」

頭を抱えてしまった男がテーブルにうつぶせると、男を照らしていたライトが消え、ベッドの上を照らし出した。

すると、あの口の悪い天使が座っていた…

「…だから言ったじゃねーか、ラサエル…お前があの女をあきらめていれば、こんな事にはならなかったのに…」