突然場面は暗転し、クラシックの曲が流れ始めた…

チリンチリン…というドアベルの音が鳴り、暗闇の一カ所にスポットライトが当てられると、先程の口の悪い男と話していた男が立っていた。

「ああ…つい、また来てしまいました…今日、彼女はいるでしょうか?」

男は独り言を言いながら、中央に置かれている一組のテーブル席に着いた。

しばらくメニューを見るフリをして、ウエイトレスに声をかける。

「あ、あのすみません…えっと…ぁ・アメリカン一つ…そ・それと、サンドイッチとピザとコーヒーゼリーと…あ・あとジャンボミラクルパフェを二つ下さい!…え?一人で食べるのかって?ええ、ぜんぜん大丈夫です!ここのお店のは、美味しいですから…」

しどろもどろ、しゃべりながら男は頭をかいた。

「ふう…今日は少し、お話をしてしまいましたね。フフ…それに彼女が笑ってくれました…今日は何てラッキーな日でしょう…」

男の独り言が終わると、また場面は暗くなり、アパートの部屋に変わった…