「ごめんね、静君…皆が君を一目見たいって…ついてきちゃって、えっとー」

申し訳なさそうに頭を下げて、兄さんは後ろをふり返った。

「よっ、初めまして。君がウワサの弟君だね」

はじめに声をかけてきた人は、浅黒の肌に好奇心いっぱいの笑顔で、顔をのぞき込んできた…

無言で頭を下げながら、兄さんから聞いているデータと照らし合わせてみる…

おそらくこの人は、八崎やすみさん…元生徒会長だっけ…？

「わー本当ウワサ通りだね、小学６年生には見えないねー」

人懐っこい笑顔で、そう言ったのは元副会長の長沢桂さん、だろうな…

しかし…自分て、そんなに老けて見えたかな…？

「ああ…本当、頼りになりそうな感じの弟だな」

今度は女の人が、あごに手を当てて自分を見た後、兄さんを見ている。

でかい態度に、ロングヘアー…演劇部、部長の久川克美さんと見た…
ウワサ通りの美人だ…

「…弟君の方が兄って感じするのは、私だけかなー」

ショートヘアーで黒髪のお姉さんも、兄さんに視線を向けた…

おそらく照明担当の光田和美さんだろう…