その頃…別の校舎の一室では、大問題が発生していた。

とある部の一大事である…

「…部長…それは、この私には無理ですよ〜脚本を書き直すなんて…」

おっとりと、里美ゆり(一年生)は反論した。

「里美君…ならば部員狩りに行って来い。数少ない部員が、やんどころなき理由で辞めた今、それしか方法はないのだよ」

部長と呼ばれた久川克美(一年生)は、深いため息とともに、こう命令した。

「部員狩り…ですか…何かえものを下さい、脚本書きは無力であります」

ほんわかと笑いながら、里美は久川の命令を受け流した…

「えものか…そう、君には、そのほんわか笑いという武器があるじゃないか。頑張って来い、私は信じてるぞ」

無茶苦茶なこのやり取りを黙って聞いていた光田和美(一年生)は、笑いをこらえ切れずに、クックと笑った。