「あ・そっか!だから、うちらに建言てないのか〜」

「…ないんですか?建言…」

鳴海が控えめに、八崎にたずねた。

「ない!ない・ない・ない・んなもんない!!」

勢い良く、八崎がわめいた…

「あのね…実際は執行部の方が、力関係でいくと上なんだよ…うちらは下で決められてきた事に、反対が出来ないんだ」

長沢が、お茶をすすりながら続けた。

「会長と言っても、ちっとも威厳なし。前も言ったけど、飾りとして上にいるだけね」

「お前もだろ」

また脱線しそうな空気を察して、里美が口を開いた。

「じゃ、じゃあ会長の仕事って?」

そう聞くと、八崎は間髪入れずに答えた。

「ない!」

「…」

鳴海と里美は、ポカーンと口を開けて固まった。

「やっちゃん…そう言い切られると、うちら虚しいよ…」

「桂…ないもんはないとしか、言いようがねーじゃねーか」

「全くない訳じゃないでしょ?」