長沢は指差された画面に顔を近づけて見ると、そこには各クラスごとに生徒の写真がまとめられており、下に名前が書かれていた。

『鳴海宗一』

八崎が写真の上でダブルクリックすると、詳しい個人情報が出てきた。

生年月日、血液型、出身校、受験の成績…etc…

「ほーう、うお座か…ますます間違いないぞ、フッフッフッ…」

八崎は一人、悦に入る…

「だーかーらー、今回の選択基準は何だったの?教えてよ、やっちゃん」

「もちろん、カンに決まっとるだろーが」

「…」

「…オレの時と、同じ理由だよ」

「え?」

「まだ解決してない問題が、山積みじゃねーか。それが心残りでな…後任のヤツに、押し付けようって訳さ」

八崎はニヤリと笑った。

「やっちゃん…ま、いいけどね」

任命された者は、めったな事では断れない…

長沢は、この選ばれた一年生に同情した。

「て、訳だ桂。明日こいつを連れて来いな」

「OK…」