「里美さん、次期副会長頑張ってね、後を頼みます」

「へ？あ・あの…副会長って一体…」

里美は一体、何のために連れて来られたのか…そして、何の事を言われているのか分からずに、鳴海を見た。

「…実はね…つい先日、僕はあの人に次期生徒会長に、任命されてしまってね…」

重い口調で、鳴海が説明を始めた。

「…断る気力もなくて、引き受けてしまったんだけど…会長になると、副会長を探して任命しなきゃいけないって、言われてしまって…」

そこまで言うと、ふ〜っとため息をついた。

「…さっきのため息の理由って、それ？」

「うん、そう…里美さん、演劇部に入る代わりに、副会長を引き受けてもらえませんか？」

「おい、何そこで取引してるんだ〜♪」

八崎は楽しげに茶々を入れた。

「それって、それって…」

里美はようやく自分の立場が飲み込めてきて、冷静に考えられるようになってきた。

「ごめん里美さん…出来ればよろしくお願いします。他に当てもない…」

しおらしく、鳴海は頭を下げた。