木下君はじっと真っ直ぐあたしを見ながらそう言って、あたしの肩をポン、ポンって叩いた。



「じゃあ、その他の役や、大道具の準備、衣装、あと必要な物のリスト作り…それから…」



南先輩の声に元の席へと戻って行く木下君。



主役。



ロミオの木下君。



ジュリエットの・・・・・あたし??



はぁぁ・・・・・。



完全にもう決まってしまった状態、状況。



それを実感したあたしは大きなため息をついた。



演劇部みんなでこんなに団結して頑張ろうとしているのは、



この劇の『成功』のためだもんね。



協力しなきゃ・・・・だよね・・・・・。