よく見ると、スラッと背が高い木下君。



黒縁のメガネの奥には大きな瞳が隠れてた。



意識して見たことがなかったから、気づかなかったんだ。



ロミオ役の木下君・・・・・意外とハマリ役なのかもしれない。



「優…?優はどうするの?もう役、決まったの?」



ボーっと、先輩と木下くんのやりとりを見ていたあたしに、木下君が振り向き、声をかけた。



・・・・・ん?あたし・・・・・?



出来れば裏方でもいいって思ってたけど、もし文化祭に修人が来てくれたとしたら、
出番がないあたしに残念がるかもしれない。



どんな役でもそんなにこだわりはない。




でも深くは考えていなかったあたし・・・・・。



「別に……まだ決めてないや…」



あたしのそのひと言を聞いて何故か嬉しそうな木下君。