ご機嫌で今にもみんなの前で抱きついてきそうな気配の修人に、あたしは少し引き気味に距離をとる。



そんなあたしにすぐ気づく修人はそれを許してはくれないんだ。



目の前に差し出される大きな手。



「さっ、帰ろう。優愛」



まだ教室には何人もいるのに、堂々と手をつないでくる。



初めの頃は冷やかしてたクラスの子達もすっかりこの光景に慣れてしまったらしく、今では誰も何も言わなくなっていた。



当り前のようにあたしのカバンを持ってくれて、あたしの歩く速度に合わせてくれる修人。



車が通るたびに、かばうようにそっとあたしを歩道側に寄せてくれるんだ。