帰る準備をして、みっちゃんを待っていたあたし。



校舎を出て、鞄から携帯を取り出す。



・・・・・着信なし。



修人・・・・・忙しいのかな?なんて思いながら、



うっすらと暗くなりかけた空を見上げていた。



「お疲れぇ!!何、ボーっとしてんだ??」



声をかけて来たのは、制服に着替えた木下君だった。



このくらいの時間になると、



夏とはいえ時おり涼しい風が吹いてくる。



木下君の少し茶色がかった髪がかすかに風に揺れていた。



「今日で夏休みの練習最後だな…大変だったけど、練習があるから優に沢山こうして夏休みの間も会えたし…気持ちも伝えられたし……俺としては満足だな…」



「……木下君」



「じゃあ、また…始業式で!!」



木下君は手を振りながら、振り向くことなく帰っていった。