大道具の位置も念入りに確かめながら、リハーサルが始まる。



初めのナレーションは南先輩。



南先輩のゆっくりとした語りとともに、あたしは舞台へと上がる。



でもなんだか、まださっきの木下君の言葉の余韻が残っていて・・・・・



木下君の言ったひと言があたしの頭の中から消えなかった。



舞台の上で観客が誰もいないのに、あたし1人が緊張していた。



場面ごとに南先輩が、問題点を指摘する。



そのたびに、一旦お芝居は中断される。



みんなも気になったことを伝え合う。



みんなの熱い熱意が伝わってくるようだった。



意見と意見をぶつけ合う。



それぞれの主張、それぞれの思い。