あたしの中のイメージそのものの『ロミオ』があたしを見つめる。



『ジュリエット』であるあたしが愛する『愛しい人』、ロミオ。










「何、2人で見つめ合ってんのよ!さぁ、さぁ、リハーサル始めるよ」



南先輩の声に我に返るあたし。



木下君はそんなあたしに近寄り、そっと顔を寄せて、



「俺のジュリエット…最高…」



と、低く小さくささやいた。



「な、な、何??言ってんの…?」



『ロミオ』にささやかれた言葉に胸の奥がドクンっとしてしまう。



その言葉は・・・・・



あたしに?それともジュリエットに?