「よっ!おはよう、優!!セリフ覚えた??」



朝から元気よく、あたしの肩を叩くのは木下君。



「うん。前半のページはね。まだ場面によっては不安もあるけど…」



「そっかぁ。まぁ、まだ時間的にも余裕があるし、少しずつでもいいんじゃない?頑張ろうね」



ふと、目に入った木下君の台本の表紙は所々が破けていて、読み込まれている感じだった。



もしかしたら、練習の時以外でも沢山練習しているのかもしれない。



そんな気がした。



木下君はあたしが思ってたより、



本当はずっとずっと努力しているのかもしれない。



あたしも・・・・・



あたしも、木下君に負けないくらい頑張ろう・・・・・。



「今から1時間はそれぞれ自由に練習して~。その後、衣装合わせするからね~」



「は~い」



南先輩の声にみんなが返事をする。