ヤンキーの名前は、たしか
聖也くん。

名字は聞いたことないが、
真理菜の彼氏……10?いや11代目くらいの子だ。

真理菜と似た色の茶色い髪の毛は長めで
外に跳ねている。

腰まで下げた制服のズボンは
真理菜のパンツが見えそうなくらいのスカートとよく似合っていた。



『じゃあね、夏子っ!』


聖也くんの方に真理菜が走っていく。


『うん、また後で。』


にっこり笑ってみたけど少し寂しくてすぐに下を向いてしまった。


チラリと真理菜の後ろ姿を見ると、
頭の上で大きなおだんごが嬉しそうに揺れていて余計に悲しくなった。


『真理菜がどんどん離れていくなー』


小さく呟いて、下を向いたまま歩きだす。
今日も目立ちませんように。
なるべく、目立ちませんように。