気が付けば、午後8時。


色んなアトラクションに乗った。


「最後は、観覧車乗ろ?」


と、妃菜ちゃんが提案した。


『そうだねー!!』


「あのね、お願いがあるんだ、麻耶ちゃん。」


急に真顔になる妃菜ちゃんに戸惑いつつも話を聞く。


「あたし、龍斗くんに色々言いたいことあるから同じ観覧車乗っても良い?」


何事かと思えば、そういう話だったのか。


『え...うん...』


「全然、大丈夫だから!! 何もする気ないし、相談したくてさ。」


お願いと目の前でお願いされると断れない。


『うん、じゃあ良いよ。』


「俺、高所恐怖症だから無理だしさ。」


と玲央くんが言う。


『じゃあ、行ってらっしゃい!!』


と見送った。


何故か、妃菜ちゃんと龍斗の背中が楽しそうに見えた。