「詩織ごめん。鞄見せて」


凌ちゃんは優しくあたしの腕から鞄を抜き取る。


広げられた鞄から出てきたのは、教科書類と、ちゃんとレジを通したDVD1枚………



「じゃあどうして逃げたんだね」


犯人じゃないって分かったのに、まだ追いつめるような言い方。

あたしはまだ怖くて、凌ちゃんの袖を握りしめたまま黙秘を貫く。


「追うからだろ」


代わりに凌ちゃんが答えてくれる。