「だって、凌ちゃんが…」


咄嗟に出したのは凌ちゃんの名前。


お母さんが、この名前を嫌がるのは分かっている。



けど。



『離婚はダメだ』


あたしが望む度に。



凌ちゃんがそう言っていた意味が、今わかった。



両親の離婚を喜べる子供なんていないんだ―――