「麻奈美ちゃんと居酒屋の若い男の子が、ここまで送ってきてくれたよ」

やっぱり……。

そんなとこだろうとは思っていたけど、まさか祥ちゃんにまで迷惑をかけていたとは。

「ちゃんと謝っとく」

麻奈美、祥ちゃん。誠に申し訳ない。

まずは心の中で詫び、キッチンへと向かう。

昨晩みたいなことは昨日が初めてじゃない──とは言ったものの、記憶がなくなるまで飲んだのは久しぶり。ムシャクシャする気持ちを一掃したかった私は、普段よりハイペースで飲んでしまった。

ということは──

私が飲みすぎるという原因を作り出した諸悪の根源は、あの憎き副社長!

あの人が私に勝手なことを言い怒鳴り散らさなければ、記憶をなくし二日酔いになるまで飲むなんてことにはならなかったのに。

「やっぱりムカつく」

冷蔵庫の中から炭酸水を取り出し、それを一気にゴクゴクと飲む。強炭酸水が喉を通過すると、強い刺激と爽快感が少しだけ私を落ち着かせた。