やっと騒ぎも収まって昼ごはんを食べようとしたその時、教室の後ろの入り口からヤツの声が聞こえて来た。



…めんどくさ。


あたしは聞こえていないふりをしてメロンパンを口に頬張る。


うわ、何これ甘過ぎるんだけど。

もはやメロンもどき風味の砂糖じゃん。





「梓ー!シカトすんなよー!」


それでも口をモグモグ動かすあたしに同じグループの子が、

「梓、呼んでるよ?」




…あーマジだる。

「へっ?…ごめん、ぼーっとしてた!」


えへへっと笑いつつ心の中で、ご丁寧にどうも、と毒を吐いた。