……………ん?


なんか…苦しいような……。



なんとなく身体に違和感を感じて意識を呼び起こす。

すると薄い橙の光の中、視界いっぱいには見慣れた顔。





…何、この状況。


しばらくぼーっとしていたがだんだんと頭が回転しだした。


どうやらここは柊介の部屋で、あたしは今まで柊介と一緒に寝ていたらしい。




こういうことはよくあり、珍しくもなんともない。

高校生男女が一緒に寝るなんて…と思われるかもしれないけど、あたしと柊介だ。
何か起こるわけがない。


現にコイツは横ですやすやと眠っていて……。




「…このバカ、離れろっての」


身体の半身をあたしの上に乗っけて抱きついているような体勢の柊介を思いっきり押すと、勢いのままにベッドから落ちていく。

先ほどの苦しさはコイツのしわざのようで、この狭いシングルベッドから排除してやったのだ。


軽くなった身で一回伸びをしベッドから出る。

足下には全く起きる気配のない柊介が転がっていて、コイツ本当アホだな、なんて思いながらとりあえず喉を潤すため部屋を出た。