いや、待て待て待て。

んなわけねぇだろ。大丈夫か俺。


この前梓とホラー映画見た時だって、『幽霊とかいるわけないじゃん。何怖がってんの?え、もしかして幽霊信じてるとか言わないよね?』なんてボロクソ言われたじゃねぇか。


そうだ、幽霊は存在しない!するわけないんだ!


自分になんとか言い聞かせてみるが逆にあの映画を思い出してしまい、手汗が尋常じゃなく湧き出る。



タン、タン、タン

そんな俺とは裏腹に足音は段々近づいているようで。


嘘だろ。こっち来んなよ〜。


あぁ〜これはもう……ダッシュしかない!

よし、ドア開けた瞬間ダッシュだ!



スクバと部活のスポーツバッグを持ち直し、少し足首を回して準備運動。


覚悟は決まった。

この先何が起ころうとも俺は走る。

映画のように白い服きた女が追いかけてきたとしても俺は走る。

とにかく、突っ走る!



タン、タン、タン


心拍数が急上昇する中、心の中でカウントをとった。


…3…2…1…



ガラガラッ!!


「きゃあー!!」