「つーかさぁ、柊介お前マジ恵まれ過ぎだから!」
「は?何が?」
「梓ちゃんに決まってんだろ!
あんな美少女と幼なじみ?
何だその奇跡のシチュエーション!」
ズリぃー、と俺の肩に手を回して全体重をかけてくる。
「重っ!バカどけよ!
俺だって好きで幼なじみになったんじゃねぇし」
「「はぁ?」」
そうハモるや否や2人して怪訝そうな顔して見てきて。
「お前…正気か?」
そんな心配までされる。
こいつらはアイツの本性を知らないからこんなことが言えるんだろう。
今日だってあのネコ被りのおかげで廊下に立たされたってのに。
しかも川口の野郎宿題倍に出しやがっ…。
「…うっわ最悪!!宿題教室ん中だ!!」
チャリ目前の所まで来て大変なことを思い出した。
今から取りに行くには億劫すぎるが、提出期限は明日の朝だったはず。
……はぁ。
「…俺忘れ物したから学校まで取り帰るわ」
「ははっ!今からとかツラっ!」
「柊介おつ〜!!」
「あぁ、また明日な」
渋々仲間に別れを告げ、来た道をUターンして校舎へと向かった。