…あれ、シカト?
「ねぇねぇ」
………。
「あのぉ…」
「…ひゃっ!」
ガタッ
最終的に顔を近くで覗き込んだところでようやくあたしを認識した。
分厚い眼鏡に三つ編みのその子は後ろに仰け反ったためズレた眼鏡を手で直す。
つーかこのあたしをシカトするとか正直こっちが驚いたわ。
「大丈夫?
驚かせてごめんね」
「い、いえ!!
ボーッとしてた私が悪いんです!
それで…えーと、何かご用でしたか?」
すごく礼儀正しく話す地味女。
敬語を使ってるから後輩かと思ったけど、上靴はあたしと同じカラーだ。
…変なやつ。