桜の見る影も無くなり、クラスも馴染み始めた5月初めのある昼休み。
あたしはひと気の少ない廊下に全く面識のない男子から呼び出された。
上靴の色によると同じ2年生らしい。
「…あの、俺、朝比奈さんのことが好きなんだけど!!」
ベタなシチュエーションに直球勝負。
顔を真っ赤にしてそう言う。
身長良し。
性格は悪くなさそう。
顔もイケメンの部類には入ってる。
…でも『このあたし』に全然釣り合ってなくない?
こういう場合の対応はよく心得ている。
「えっ!!嬉しい!!
じゃあ今からあたし達『お友達』だね!」