さらに彼は自分のズボンに、手をかける。
もうダメだ。私は目をつむり、全てを諦めた。
今の彼はどんな表情をしているのだろうか。

「……口を開けて、入れるから」
「————んぅ」

口に広がる甘い味。
それと笑い声。
どうやら私は罠に引っかかったようだ。

「ぷっ……く……馬鹿だこいつ!」

顔が熱くなる。
人生で1番、恥ずかしい思いをした。

相変わらず彼は笑ったまま。

本当に最低なおっさんだ。

「馬鹿はお前だ」

ポコッ!という間の抜けた音がなった瞬間おっさんは倒れた。
彼を踏む、凛々しい美少女がこちらを見ている。そして丁寧にお辞儀をする。

くるりと巻いたまつ毛が羨ましかった。