「…な。…かな…華奈‼」



自分を呼ぶ声にはっとする。


あっ…HR中だった!


慌てて、前を向くと担任の姿は無かった。


あ、あれ?

「HRなら終わったよ?てか華奈、大丈夫?」


後ろから声がかかり、振り向くと、クラスで一番仲のいい友だちの、秋山沙月が不思議そうに私を見ていた。



「あ、うん。大丈夫、大丈夫!ちょっとぼんやりしてただけだから。」


そう言いながら手を振ると、沙月はため息を尽いた。


「ぼんやりって…。最近いっつもそう…」


沙月は不意に言葉を止めると、私の前の方を見て顔を歪めた。