ーシュッ


リングに一切触れずに

日向子の放ったボールがネットを揺らす


…うわ、

ほぼ無意識のように右京が呟く



わ、入った。久々、

「なんなん、まじか」

ゴールを見つめていた右京が

日向子に視線を送る


「日向子サン、自分全然ちょっとどころ

なんてものじゃあらへんやないですか。

すげ、ピュアシューターなんやね」

右京がほうっとうっとりしながら呟く

彼の言うピュアシューターとは

リングにボールが触れずに

シュートを決めることで

ガゴンというあの音ではなく

ネットとボールだけが擦れる

シュッという音だけを出し決めることのできる

シューターのことを指す単語である名称

右京は彼女をそう呼んだ