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「あ、上本くん。
ちょっといいかな。」
古典の授業が終わり、
後は帰りのHRだけなので
帰宅の用意をしていれば、このお声。
なんだろう、と思いつつ
近づけば
その先生は微笑みながら口を開いた。
「あのね、生徒会にもう一人入れてもらうのって無理かな?」
「もう一人、ですか?」
小首を傾げる先生にこちらも小首をかしげてみせる。
もう一人って。
いや、無理か可能かで言ったら別に可能だろうが…。
一応、生徒会に入るには
選挙とかがあるわけで。
俺が一人の権限で
『はい、いいですよ。』
ってわけにはいかないんじゃ…。
「私のクラスにね、転入生が入って~。
で、その子が前の学校で生徒会の副会長だったみたいで。
多少は知ってる仕事の方がいいのかなぁ、なんて。」
…あぁ、先生のクラスに転入生が……
ん!?
転入生!?
「加藤亜紀!、ですか!?」