最後まで振り返ってはくれなかったけど、 彼はピースを返してくれた。 好きだった。 確かに、隆史のこと、好きだった。 それは、本当なんだよ。 ほんの少し歪む彼の姿は、 世界一逞しく見えた。 ―――――――電車の中で― 15年間の、純愛が散った。