…嫌だ。

思い出したくない。




あの笑顔も。
声も、温度も、香りも。


何も思い出したくない。




分かってしまうから。








隆史に感じるキュンと、
会長に感じる胸の音は、全然違うんだって。





どうしよう。
会長、会いたい。





「…亜紀、最後はあれだろ」




指さした先の乗り物に笑って頷いた私は
弱くて、汚い。










ねぇ会長
何してるの、今。


ねぇ会長
会いたいの。


私はあなたの
隣に、居たいんです。