…あぁ。
遊園地なんて、来るんじゃなかった。






真正面に見える観覧車。
嫌でも彼を思い出す。


さらに。



「亜紀、はぐれる」


握られた左手。



泣きたくなる。
会長とは違う手。
違う感触に、力の具合も違う。






支えてくれた人。
一番つらいとき、私を支えた人。


「ねぇ隆史!」

「ん?」


……私を、支えて、励まして、それで、それで…


「私ね、好きだよ!ちゃんと好きだよ、隆史のこと」



隆史と会長は違う。

それで、
私は、隆史に支えてもらってきた。

だから、
隆史と一緒に居るべきなんだ。