「昨日は、どうも…。」
「どうも…。」
束ねられた髪。
昨日よりもずっと子供っぽく見えるのはどうしてだろう。
「…大学生ぐらいかと、思った」
「あはは。
よく言われます、老けてるって」
「あ、いや…そういうわけじゃ…」
だけど、笑顔はやっぱり綺麗で。
昨日からずっと脳裏に焼き付いて離れなかった笑顔そのものだった。
「え?なに、お前、姫と知り合いなの?」
声のしたほうに顔を向けると
マモルがトロンとした目で彼女を見ている。
「姫って?」
「え?ほら、名前知らないから…さ。
なんだよ、なんか怖いぞ、お前…。」
姫ってなんだよ、姫って。
よくそんなこと恥ずかしげもなく言えるな。
「あ、私?
あはは、姫って。」