暑い夏が終わった。
と、同時に恋も終わった。
あ、あと、ついでに言うと
休み明けテストも終わった。
このテストで
よほどの点数を取らなければ
内部進学は決定する。
だから、外部受験の人はカリカリしだすこの時期に、
内部の人はまったりしだすのだ。
…俺は。
「ゆーいち、お前さぁ、たまには息抜きしようぜ、息抜き」
「…いや、そんな切羽詰まってないから。」
「つまんねぇ男だな、ほんと。」
外部受験をすることに決めていた。
特に意味はないけど、
何か夢中でやれることが欲しかった。
そんなとき、たまたま受験っていうそりゃあもう、夢中になれるものがあって。
…よかったじゃないかよ。
都合よかったじゃん。
加藤とのことは。
加藤とのことは…。
ちょっとまだ、傷がジクジク痛むから、言わないでほしい。