僕は毎日カズの家に行った。
そんでカズの仏壇に手を合わせる。
霊とか信じないけど
こうしてればカズと会話できる気がして。
初めはカズのお母さんの百合子さんも
快く家に入れてくれた。
でも事故から1ヶ月ぐらいたったある日
僕がいつものようにカズの家に行くと
いきなり百合子さんが泣き崩れて
僕に言ったんだ。
「なんで?!なんであなたが生きてて
和樹は死んじゃったのよ!!!!
どうしてあんたじゃなくて和樹なのよ?!!」
そんなの僕だって聞きたいよ。
代われるものなら代わりたいよ。
この叫び声を聞いたカズのお父さんが
百合子さんをなだめつつ僕に言ったんだ。
「悪いがもう来ないでくれ。
悠太が来れば嫌でも和樹を思い出す。」
それだけならまだよかった。
それだけなら僕が悪いんだって
思うだけで済んだから。
でも叔父さんの次の言葉が僕に突き刺さった。
「お願いだから和樹のことは忘れてくれ。
私たちに和樹のことを思い出させないでくれ。」